Windowsの起動失敗を診断して修復する方法
経験ある方も多いと思いますが、Windowsマシンが突然起動しなくなるとかなりストレスですよね。簡単に解決できると思ったら、BIOSやリカバリーモードを延々といじる羽目になることも。ちょっとした不具合のこともあれば、ハードウェアやファームウェアの深刻なトラブルまでさまざまです。長年の経験から、まず押さえておきたい基本的なチェックポイントをざっくりまとめてみました。見覚えのある作業もあるかもしれませんし、逆に「これは?」と意外なものもあるかも。ちなみに、何度か再起動を繰り返すことになる場合が多いので、そのつもりで臨んでください。トラブルシューティングはまるでゲームの「たたき出し」みたいなもので、一つ解決したと思ったら別の問題が浮上することもよくあります。
電源ユニット(SMPS)の点検
まず最初に確認したいのは、やっぱりこれ。意外と見落としがちだけど、電源供給がちゃんとできていなければ何も始まりません。PCがまったく動かず、ファンもライトもつかない状態なら、まず電源のチェックから。壁のコンセントからメインの電源ケーブルを抜き、ケース背面の電源ユニット(通称“電源ユニット”またはSMPS)も外します。それから、電源ボタンを約15秒押し続けて、残留電気を放電させます。その後、すべて元に戻します。もし予備の良品の電源ユニットがあれば差し替えてみるのも手です。背面の電源スイッチや、マザーボード側の「PS-ON」と呼ばれる電源制御ラインの切り替えスイッチを操作するのも効果的です。また、マザーボードの出力ケーブルや、電源ケーブルに付いているヒューズが切れていないかも要確認。マザーボードやケースのLEDインジケーターが点灯しているかもチェックしてください。光っていなければ、電力がきちんと供給されていない可能性大です。
メモリとストレージ:ハードウェアの点検
次に確認したいのは、メモリ(RAM)とストレージ装置。ハードウェアのちょっとした動きやアップグレード、手出しのタイミングでトラブルになることもあります。電源を切って、すべてのケーブルを外し、慎重にケースを開きましょう。静電気対策もお忘れなく。まずRAMスティックを一つずつ取り出し、柔らかい布やアルコールウエットで端子を軽く拭いて、しっかりと差し戻します。ホコリや接続の緩みで起動できないこともあるためです。複数のRAMを使っている場合は、一つずつ起動を試したり、差し替えたりしてみてください。どちらかのメモリが故障か、緩んでいる可能性があります。
同じくハードドライブやSSDも確認を。BIOSまたはUEFI設定で認識しているかを確かめ、登録されていなかったらSATAやNVMeの差し込み先を変えてみると良いでしょう。特にハードウェアを新調したり、ドライブを移動した直後は要注意です。電源コネクタの緩みも要確認。可能なら別のパソコンに繋いだり、UbuntuのライブUSBから起動してドライブの状態を確認したりしましょう。
外部デバイスと周辺機器のチェック
意外と見落としがちなのが、外部周辺機器です。USBハブや外付けドライブ、特殊なバックライト付きキーボードなど、一見関係なさそうなものも、システムの起動中に引っ掛かりの原因になることがあります。すべての外部機器を外してみてください。プリンターやスキャナー、USBドングルなども含めて、一つずつ切り離しましょう。これだけで解決することも少なくありません。特に問題のあるUSBデバイスは、起動の妨げになることがあるのです。意外に思えるかもしれませんが、よくある原因です。
セーフモードの起動:トラブルシューティングの味方
パソコンが起動しないときにセーフモードに入るのは、少しコツがいります。Windowsのリカバリーモードを強制的に呼び出す方法です。Windowsの起動途中で、何度も強制終了(電源ボタン長押し)を行います。これを3回繰り返すと、自動修復モードに入ることがあります。「自動修復の準備中」と表示されたら、そのまま待機してください。次に、詳細オプション > トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定を開き、再起動をクリックします。再起動後、F4キーを押せばセーフモード、F5キーならネットワーク付きのセーフモードに入れます。上手くいけば、ドライバーのロールバックやWindowsアップデートの取り消し、修復ツールの実行などが可能です。何度か試す必要が出てくることもあります。
システムの復元:以前の状態に戻す
セーフモードが正常に起動したら、次はシステムの復元を試みてください。Windows 10/11なら、「コントロールパネル > システム > システムの保護」からアクセスできます。もしくはリカバリーモードから選びます。問題が起きる前の復元ポイントを選んで、指示に従って操作しましょう。再起動を伴う場合もありますが、大きなトラブルの解決につながるケースがあります。ただし、必ずしも成功するわけではないことも覚えておいてください。
最近のWindowsアップデートのアンインストール
問題がアップデート直後に始まったなら、これもよくある原因です。セーフモードに入り、「設定 > 更新とセキュリティ > 更新履歴の閲覧 > 更新プログラムのアンインストール」から最近インストールした更新を削除しましょう。特に、最近の大規模な累積アップデートやドライバーの更新が原因のことがあります。これにより、起動ループを解消できる場合があります。特定のドライバーが原因だとわかれば、それだけ解除すればOKです。
自動修復機能:Windowsが自動で修正
それでも解決しない場合は、「スタートアップ修復」を試してください。これはWindowsのリカバリーメニューからアクセスできます。詳細起動オプション > トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ修復を選択すると、ファイルの破損やパーティションの異常などを自動的に検出・修正しようとします。_minorな問題の場合はこれだけで改善することもあります。特にシステムファイルやパーティションの問題には有効です。
BIOS/UEFIの設定とハードウェアの再構成
もし依然として復旧しない場合、次はBIOSまたはUEFIの設定を確認します。PCを再起動し、メーカー指定のキー(例:F2、DEL、ESC、F12)を押して起動します。ブートの優先順位を確認し、Windowsを入れているメインドライブを一番上に設定してください。特に新しいハードドライブやハードウェア変更を行った直後は要注意です。過剰なオーバークロック設定(CPUやメモリのタイミング調整)も原因になるため、これらを一旦デフォルトに戻しましょう。BIOSをリセットするだけで、意外と多くの奇妙な起動問題は解決します。また、UEFI利用時は「Secure Boot」機能を一時的に無効にしてみるのも効果的です。
マスターブートレコード(MBR)の修復
もし、ドライブのMBR(マスターブートレコード)が破損している場合(例:マルウェア感染や更新の中断)、修復が必要です。Windowsのインストールメディアや修復用USBを用意し、そこから起動してください。起動後、「トラブルシューティング > 詳細オプション > コマンドプロンプト」を選択します。
次のコマンドを入力します:
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd
これによりMBRとブートセクターが書き換えられ、起動トラブルが解消されることがあります。エラーが出る場合は、管理者権限で実行するか、別の回復環境からコマンドを試してください。UEFIシステムの場合はEFIブートファイルの修復も必要になりますが、これは少し複雑な作業です。
これらの手順で問題が解決することを祈っています。起動しないトラブルは厄介ですが、一歩一歩確実に進めていけば解決可能です。ハードウェアの確認や設定の見直し、最近の変更内容を振り返ることが重要です。頑張ってくださいね!
最後に、確認リストをもう一度。・電源の確認・メモリとドライブの抜き差し・外部デバイスの切断・セーフモードへの入り方・システム復元・最近のアップデートのアンインストール・BIOS/UEFI設定の見直し。これだけでも多くのトラブルは解決します。簡単なケーブルの緩みや設定のミスが原因の場合もあります。皆さんのトラブル解決に少しでも役立てば幸いです。時間と根気が勝負です!