奇妙なブート問題を解決するための「高速スタートアップの無効化」
私にとってこれが結構厄介な問題でした。調べてみると、Windowsの「高速スタートアップ」機能は便利なはずですが、たまに逆にトラブルの原因になってしまうこともあるようです。これは、次回の起動を早くするために、システム情報を省電力モードのファイル(C:\hiberfil.sys)に保存しておき、電源断後にその状態からすぐに再開する仕組みです。便利に思える反面、これが原因でPCが固まったり、シャットダウン後に正しく起動しなかったり、最悪の場合、ブートループに陥ったりすることも。特にシステムデータが破損していたり、ハードウェアや最近のBIOS/UEFIのアップデートと互換性がなくなると、問題が起きやすくなります。何度も再起動を繰り返しているうちに、「高速スタートアップ」を無効にするだけで、頑固な起動問題が解決できることに気づきました。
要は、この機能をオフにすることで、問題の元になっている可能性の高い省電力用の保存ファイルを無効化できるわけです。その代償として、起動が数秒遅くなるかもしれません。でも、少しの遅延よりも、安定して確実に起動する方が断然安心です。設定方法は、コントロールパネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプション > 電源ボタンの動作変更から進むだけ。次に、現在利用不可の設定を変更するをクリックし、ロックを解除します(ここは少しわかりにくいので注意)。解除後、下にスクロールしてシャットダウン設定の中の高速スタートアップを有効にする(推奨)のチェックを外します。なお、新しいWindowsのバージョンやメーカーによっては、設定 > システム > 電源とバッテリー内に隠れている場合もあるので、見つからなかったら少し探してみてください。
設定を保存して閉じれば完了です。正直、これだけで起動の安定性が格段に向上しました。場所が少しわかりにくかったり、Windowsのバージョンやメーカーによってメニューの表記が異なることはありますが、一度この設定を無効にしてみる価値は十分あります。ちなみに、これを無効にするとクイックリスタート機能も使えなくなりますが、信頼性の方が少しの速度差よりもずっと重要です。
ハードウェアリセットボタン — Lenovoや他ブランドで最後の頼みの綱
Lenovo(やDell、Acerなど一部のブランドのノートPC)には、側面や背面に小さな穴が見つかることがあります。場所はUSBポートのそばやイヤホンジャック付近、または筐体の角のあたりです。見た目は何でもないように見えますが、これはほぼ間違いなくハードウェアリセット用のピンホールです。名前は「緊急リセット」や「リセットピンhole」といった表示のこともあります。LenovoのThinkPadの場合は、底面近くの小さなコンパートメント内やすぐそばに穴があります。ASUSやDellのモデルの取扱説明書やフォーラムに書かれていることも。
このリセット穴は、PCの電源が入らなくなったときや、ブートループに陥ったときに役立ちます。ソフトウェアの修復で解決しない場合の最後の手段です。押すとハードウェアの設定が工場出荷時の状態にリセットされ、まるでルーターのリセットスイッチを押すようなもの。データも消えませんし、危険性もほとんどありません。ただし、小さなピンや針金(例えばクリップやSIM取り出しピン)を使う必要があります。本体の電源を完全に切り、電源コードも抜いてから慎重に穴に工具を差し込み、10秒から15秒ほど優しく押し続けてください。一部の方は20秒くらい長めに押すと、残留電力の放電につながり、より確実にリセットできるとも言います。その後、すべてを元に戻し、電源を入れてみてください。これで起動時のトラブルが解消された例も多くあります。なお、モデルによって穴の場所や方法が異なるため、購入したPCの型番で検索しながら詳しい手順を確認するのがおすすめです。
BCDファイル修復によるブートエラーの解決法
これは結構根が深い問題です。もしも、「起動デバイスが見つからない」や「オペレーティングシステムが見つからない」と表示され続ける場合は、Boot Configuration Data(BCD)が破損している可能性が高いです。私の経験では、突然の停電やシャットダウン直前の電源遮断により、BCDが破損してしまったのが原因でした。BCDは、Windowsの起動時に必要な情報の地図のようなもので、破損すると起動ができなくなったり、長時間立ち往生したりします。
修復するには、Windowsの回復環境が必要です。回復ドライブやインストールメディアを持っていない場合は、別のPCでMicrosoftのメディア作成ツールをダウンロードしてUSBメモリに書き込み、起動できる状態にします。その後、問題のPCをUSBから起動させ、トラブルシューティング > 詳細オプション > コマンドプロンプトに進みます。
次に、以下のコマンドを実行してください:
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /rebuildbcd
特に最後のコマンドは、ディスク上のWindowsインストールをスキャンし、必要に応じてブート情報を再登録します。完了したら、「はい」を選択してください。もしこれらのコマンドが失敗したり、何も見つからなかった場合は、BCDストアを手動で削除して再作成する必要があります。その場合は、bcdedit /export C:\bcdbackupでバックアップを取り、attrib C:\boot\bcd -h -s -rとdel C:\boot\bcdを順に実行します。その後、再びbootrec /rebuildbcd
を実行すれば、修復できることが多いです。コマンド操作は少し面倒ですが、多くの場合すぐに改善します。
ただし、コマンド操作は正確さが求められるため、不安な方は慎重に。操作を誤るとシステムに影響を及ぼすこともありますから、事前にバックアップしておくと安心です。これだけで、完全に再インストールやリカバリーを避けられる場合も多いので、まずはこちらを試す価値は十分あります。
RAMの増設で起動を高速化、クラッシュ改善
ソフトウェア以外の原因もあります。特に、古いPCや、不安定な起動時のPOST(電源投入後の自己診断)時に問題が出る場合、RAMの劣化や遅いモジュールが原因の場合があります。最新の高速メモリに交換したら、格段に改善した経験もあります。マザーボードの対応RAM仕様を事前に確認しましょう。取扱説明書やCPU-Zなどのツールで、サポートされている種類や最大容量、速度を調べることをおすすめします。古いDDR3や遅めのDDR4では、対応メモリに交換するだけで、起動時間が短縮されたり、ハングアップが減ったりすることがあります。
デスクトップPCの場合は、メモリスロットに差し替えるだけ。旧メモリを抜いて、新しいものに差し替え、しっかりと固定すればOKです。ノートPCや超小型PCの場合、メモリが基板実装(オンボード)されていてアップグレードできない場合もあります。その場合は新しいPCを検討した方が良いでしょう。ただ一般的なデスクトップなら、メモリ増設は価格も手頃で、起動の高速化や安定性向上に寄与します。
CMOS(Seos)バッテリーの交換で設定をリセット
最後に、BIOSの設定が頻繁にリセットされたり、ハードウェアの認識がおかしいと感じる場合は、CMOS(Seos)電池の寿命かもしれません。この小さなコイン型電池(一般的にはCR2032)は、PCの電源オフ時にBIOS設定を保持する役割を果たしています。これが切れると、BIOSの設定情報が失われ、起動に失敗したり、ハードウェアの認識がおかしくなったりします。
交換方法は、マザーボードの取扱説明書やネット検索で確認できます。通常は、側面のヒートシンク下やPCIスロット付近、小さなソケットに差さっています。電源を完全に切り、電源コードも抜き、静電気を放電してから、古い電池を慎重に取り外し、新しいものと交換します。向きには注意してください。設置後、電源を入れてBIOSに入り、設定をやり直せば完了です。これだけで、設定リセットによる起動失敗の多くは解決します。ただし、パーツ交換が苦手な場合は無理せず専門に任せることも検討してください。自分で確実に行えば、安価な対策で長期的なトラブルを避けられます。
以上、役立つと幸いです。私もこれらの問題に長い時間悩まされましたが、原因は意外とソフトウェアやハードウェアの小さな故障だったりします。少しずつ試して、快適なPCライフを取り戻しましょう!